Live2D元絵をしっかり作っていないと、何度もペイントソフトとLive2Dを行ったり来たりしなければなりません。
可能であれば最初から完璧なデータを作れれば良いのですが、中々そうはいきません。
今回はその中でも、PSDデータに紛れ込むゴミやほぼ透明な半透明部分、塗り残しをペイントソフト側で防ぐ方法の紹介です。
例題
例えば、CLIP STUDIO PAINT上で以下のような髪の毛のパーツレーヤーがあったとします。

一見、これで大丈夫なようですが、いくつか問題を抱えています。
CLIP STUDIO PAINTでの確認方法
CLIP STUDIO PAINTを使っている場合、境界効果機能というものがあります。
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全体
詳細
境界効果ボタンをクリックし有効にすると以下のように、
- 「フチの太さ」
- 「フチの色」
項目が出てきます。
縁の色の横の3角(▶)を押すと、色の設定項目が出てきますので、任意の色を選択します。

元のパーツや背景色から遠い色を選ぶようにしましょう。今回は赤色を選びました。
境界効果の比較
境界効果を適応すると画面上ではこのように表示されます。

赤色の部分が出ましたね。
先に調整済みの画像と比較してみましょう。

フチの赤色が全く違います。
問題の無い場合は上図の様に赤い線はパーツのフチに沿って見えます。
しかしそうでない部分には、余計なデータが存在しています。
また、パーツ内に赤色が見られた場合は塗り残しがあるということです。
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[/col2] [/colwrap]
このように一見大丈夫に見えるパーツでも、データ上ではたくさんの不備があることがわかります。
これはLive2D側に持って行った際に予期せぬポリゴンの割当が起こったり、修正が必要になり何度もペイントソフトと行ったり来たりをしてしまうことになりかねません。
[aside type=”warning”]不備のチェックを終えたら境界効果機能を切りましょう。
切り忘れたままPSD出力をすると、Live2D側でも赤い線が出たままになります。
[/aside]
修正方法
修正方法は単純です。
- ゴミや、余計な塗があるところは消しゴムツールで消してあげましょう。
- 塗り残しのある部分は、きちんと描いていきましょう。
以上になります。
むしろそれ以外に方法がありません。
対策ができるとすれば、描く際に塗り残しやゴミが出ないよう細心の注意を払うくらいでしょうか。
複数レイヤーにまとめて境界効果を適応する方法
さて、このようにパーツをチェックして無駄や不備がないか確認できるのですが、多くのパーツを境界効果を設定し、色を指定し、終わったら解除作業をする…のは意外と手間です。
そこで一括でまとめて境界効果の指定と解除を行える方法があります。
それがレイヤーフォルダー機能に境界効果を設定する方法です。
レイヤーフォルダーを新規に作成する主な手順は以下の二通りあります。結果は同じなので、好きな方で作成します。
フォルダー作成方法1

レイヤーパネルの下に並んでいるアイコンの内、上図のフォルダーアイコンをクリックすることでフォルダーを新規作成します。
フォルダーを作成後、レイヤーをフォルダー内にドラッグアンドドロップすることでフォルダー内に格納できます。
[colwrap] [col2][/col2] [col2][aside type=”normal”]新規フォルダーは空の状態で制作されます。
手動でフォルダー内にレイヤーを入れましょう。[/aside][/col2] [/colwrap]
既にフォルダー機能を使っている人は、一番上階層に親フォルダーを設定しましょう。
フォルダー作成方法2
フォルダー内に格納したいレイヤーを先に選択します。
[colwrap] [col2][/col2] [col2][aside type=”normal”]選択は、
- 格納したいレイヤーの先頭(または末尾)レイヤーを選択。
- Shiftを押しながら末尾(または先頭)をクリック。
を行うとまとめて選択が可能です。
一つずつクリックで選択したい場合は、
- Ctrl+レイヤークリック
にて個別に選択を追加もできます。
[/aside][/col2] [/colwrap]
次にレイヤーパネルで右クリックをすると以下のようにメニューが出てくるので、「フォルダーを作成してレイヤーを挿入」を選択。
[colwrap] [col2][/col2] [col2][aside type=”warning”]レイヤーのサムネイル上でクリックすると、以下のように別メニューが表示されます。
この中には該当項目がありませんので注意しましょう。
これで選択されたレイヤーが全てフォルダー内に格納されます。

さて、フォルダーに格納したら、一番親(上階層)のフォルダーに境界効果を適応してみましょう。
表示結果を以下の例を見ながら確認していきます。

今回フォルダー内には3つの顔文字が入っています。
そこにオレンジの境界効果を適応しています。
フォルダー内に入っていない (´・ω・`) は効果が適応されていません。
境界効果を指定したフォルダーの直下にある (`・ω・´) は問題なく境界効果が現れていますね。
また、フォルダーの中にフォルダーを作っている状態でも (^ω^) に境界効果は現れていますね。
(ΦωΦ) は、フォルダーの中のフォルダーの中のフォルダーに入れていますが大丈夫です。
また (ΦωΦ) を入れいているフォルダーは「透過」設定になっています。
フォルダーのレイヤーモードに関係なく適応されているのが分かりますね。
この親フォルダーに適応した境界効果を切れば、3つの顔文字にも境界効果が切れます。

これで一箇所に境界効果を設定するだけで全体の確認が行えます。
元絵を制作している最中に随時確認するのもよいですし、最後にまとめてチェック作業をする場合にも便利に確認できます。
他のペイントソフトの場合
Photoshop
Photoshopには同様の機能があります。レイヤースタイル内の境界線機能です。

CLIP STUDIO PAINTと同様に、レイヤーやフォルダーに設定することが出来ます。

SAI
残念ながらSAIには似た機能がありません。
かつてこの機能を使う前の私は何度もPSDインポートを繰り返していてとても面倒だったので、是非活用してみてください。